2018/4/28~30 龍王岳Ⅲ峰南壁ジェードルルート

天候:晴れ
メンバー: Mさん(CL)、抱(投稿)

GW前半は不帰Ⅰ峰主稜へ行く予定でしたが、雪の状態があまり良くなさそうだったので、パートナーの提案で、龍王岳へ転戦しました。
龍王岳と言えば、良く登られているのは東尾根ですが、私達の今回の目的は「Ⅲ峰南壁ジェードルルート」。南壁は岩も固く、魅力的なルートが幾つかありますが、その中でもⅢ峰の中央にある、天に向かって真っ直ぐ伸びる美しいジェードルに惹かれ、このルートを選びました。

 4/28 快晴 
扇沢~室堂~室堂山荘~一の越山荘~龍王岳南壁(取付き確認)~龍王岳Ⅱ峰東壁~龍王岳東尾根~龍王岳山頂~一の越山荘~室堂山荘

晴天のGW初日とあって、アルペンルートは大混雑!始発の1時間前にチケット売り場に行きましたが、既に長蛇の列。なんとかギリギリ始発に乗れました。

今回のルートは情報に乏しかったので、お世話になる室堂山荘へ立ち寄り、荷物を軽くしてから、まずは偵察に。



穏やかな晴天。登山&クライミング日和です。





一の越山荘まで上がると、龍王岳東尾根の岩稜が見えました。左からⅠ峰、Ⅱ峰、Ⅲ峰、Ⅳ峰(龍王岳主峰)



東尾根の基部から南側に回り込むと、南壁の美しい岩峰がズラリと並びます。



今回のお目当ては、こちらのⅢ峰の中央に真っ直ぐ伸びるジェードルルート



雪壁を登って取付きへ。ルートを自分達の目で見て、明日持っていくギアと作戦を考えたら、取付きの足場を整地して、偵察終了。


登り易そうなⅠ、Ⅱ峰のルンゼから東尾根に乗ろうと詰めていくと、上部に亀裂が走っていたので、Ⅱ峰の東壁から登りました。
簡単そうに見えたので、安易に取り付いてしまいましたが、思ったよりも難しく、アイゼンでの登りは尾根に乗るまで緊張の連続でした。




東尾根に合流して、そのまま山頂へ。


龍王岳山頂2872





一の越山荘を経て、室堂山荘まで下山。

「たまには贅沢してもいいよね~」と今回は小屋泊。
お風呂に入って、美味しいご飯を頂き、暖かいお布団にくるまって眠れる幸せを感じながら、早めに眠りにつきました。

4/29 快晴
室堂山荘~一の越山荘~龍王岳南壁ジェードルルート~龍王岳東尾根~龍王岳山頂~一の越山荘~室堂山荘


いよいよ今日は目的のルートへ。朝から気温が高く、既に雪は緩み始めていますが、自分達が付けたトレースが残っていたので、歩き易く、偵察していたお蔭で、昨日より早く取付きまで辿り着きました。


取付きの足場があまり良くなかったので、取付きまでの雪壁を登る前にロープを結び、テーピングをして、コンテで上がりました。


1P目はMさんのリード。取付きの足場が雪なので、アイゼンを履いてのスタートです。
難易度が上がりますが、スイスイと登って行きます。ハイマツの中をトラバースして、安定したテラスに出るまでは気が抜けません。

1P目が終わった後、テラスでアイゼンからクライミングシューズに履き替えます。


2P目はいよいよこのルートの核心。リードを譲って頂きました。
長いルートなので、カムを沢山持ってスタート。


出だしの草つきに、クライミングシューズで慎重に乗って上に上がると、ハーケンが打ってありました。ここからは狭めのチムニーに始まり、太めのクラックが上まで続きます。

カムを沢山持って、登山靴やアイゼン等が入ったザックを背負っているので、身体を上手く入れられず、苦労します。早めの段階で、#56のカムを1セットずつ使いハングを乗り越えて、一瞬核心を越えたように思えましたが、その後も緊張する登りが続きました。



途中でレストを入れて、息を切らしながら、なんとかテラスまで上がる事が出来ました。カムで支点を作ったら、Mさんをビレイ。結局#562セットずつ、その他のカムもまんべんなく使いました。



3ピッチ目はMさんリード。ピナクルをくぐって、ジェードル峰の頭まで。
Mさんが登っている途中、岩が崩れる大きな音がして、一瞬身体が固まりました。
ビレイしている場所から、Mさんの姿は見えないのですが、声をかけると「大丈夫です」と明るい返事が返ってきて一安心。どうやら掴んだ岩が剥がれたようです。
南壁は比較的安定した固い岩ですが、人が殆ど登っていないマイナールートなので、浮石には注意が必要です。使える岩を良く見て触って、慎重に選んで登ります。

ジェードル峰の頭に着いたら、再びクライミングシューズから、登山靴&アイゼンに履き替えて、4ピッチ目をリードしました。尖った岩の間を登り、その先にビレイ出来るポイントがあるか分からなかったので、一旦ピナクルでピッチを切りました。



その後は雪壁を登り、東尾根に合流!緊張が解けた瞬間でした。

昨日と同じくそのまま龍王岳山頂へ。


お疲れ様でした&ありがとうございました。

4/30 快晴
最終日もどこか登って帰る予定でしたが、2日間で満足してしまったのと、帰りの渋滞を考え、朝一のアルペンルートに乗って、のんびり帰りました。


お天気に恵まれ、パートナーに恵まれ、北アルプスの山々をバックに、素晴らしい景色を見ながらの楽しいクライミングでした。
是非沢山の人に登って頂きたいと思える素晴らしいルートでした。




0 件のコメント:

コメントを投稿